顎関節症の鍼治療

顎関節症の鍼治療
側頭筋への刺鍼

顎関節症(顎を開けると痛い、顎が開かない)について

顎関節症は、頭痛、首肩こりなどの上半身の症状をセットで訴えられることが多いです。関節症と名のついた症状ではありますが、実際には関節を構成する筋肉の異常により生じることが多いようです。そのため関節そのものを狙うというより、周辺の筋肉に対して刺鍼しています。

寝ているときの食いしばりや、緊張時に無意識に顎に力が入ってしまうことにより、筋肉の状態が悪くなり痛みなどの症状が発生します。頸部頭部の他の症状もある場合は、顎関節周囲への刺鍼も併せて行うとよいです。

症状

開口時の顎関節周囲の痛み

対象となる筋肉

外側翼突筋、咬筋、側頭筋

治療法

顔面部への刺鍼のため、通常細い鍼を使用します。

開口することができる場合、口にタオルなどを加えて口を開けたまま刺鍼します。それにより頬骨弓下部にスペースができ、外側翼突筋への刺鍼が容易になります。

噛み締めが強い場合、顎周辺だけでなく、側頭部の筋にも圧痛・緊張がみられます。側頭筋は側頭部の広い範囲に付着しているため、60mmの鍼で側頭部に対して水平に近い角度で、筋肉の付着部を擦りながら刺入します。この部位は顎関節症だけでなく、側頭部の締め付けられるような頭痛に対しても使用します。

写真の例での咬筋への刺鍼は皮膚面に対して斜め45度くらいの角度で刺入しています。咬筋付着部付近の痛み、だるさの症状が強く、斜刺で十分な得気がない場合、下顎骨に対して水平方向に刺入し、咬筋付着部を擦るように刺入することもあります。

写真の例では刺鍼していませんが、内側翼突筋に刺入する場合は顎の裏側から、刺入します。鍼先が内側翼突筋にあたると、顎周辺に広く鍼の響きが広がります。

うつ伏せの場合、外側翼突筋への刺鍼は本数が制限されますので、この筋肉の状態が悪い場合は、仰向けで開口した状態で治療を行う必要があります。うつ伏せでも咬筋、内側翼突筋、側頭筋への刺鍼は通常通り行うことができます。したがって外側翼突筋の緊張がそれほど強くなければ首、耳、頭などと同時に刺鍼することが可能です。

検索語を上に入力し、 Enter キーを押して検索します。キャンセルするには ESC を押してください。

トップに戻る