すね、足首前面の痛みについて
下腿の症状の場合、どのような動作でどこが痛むかを聞き、その後各筋肉の圧痛などを確認します。
写真の症例では下腿前面後面のどちらにもに痛み、ツッパリ感があるため、表側も裏側も刺鍼しています。
足首や足の甲に症状がみられる時は、捻挫、打撲、関節の問題など局所に原因があるかどうか確認します。局所にはっきりとした原因があるとき以外は、症状のある部位を通過する筋の異常を疑います。
足首の前面を通過する筋は、前脛骨筋、長母指伸筋、長趾伸筋ですので、これらが刺鍼の対象となります。
外くるぶし周辺の痛みの場合、腓骨筋の影響が考えられます。
すねの筋肉の緊張が慢性的に続いた場合、足関節の底屈に制限が出たり、足趾が動かしにくいなどの症状が出ることがあります。
すね、足首の痛みの鍼治療
足首の前側や、足の甲に症状に対しては、前脛骨筋、長趾伸筋、長母指伸筋に、40mm~50mm程度の長さの鍼を使用します。原因の箇所に鍼先が到達すると、痛みのある所に鍼の響きを感じます。慢性的な症状で、筋の状態が悪いにもかかわらず、刺鍼の際の得気を感じにくい場合は脛骨の前脛骨筋の付着部や、腓骨の長趾伸筋付着部を擦るように刺鍼し得気を生じさせます。
外くるぶし周辺の痛みに対しては、腓骨筋に40mm~50mmの長さの鍼を使用します。腓骨筋も筋肉の状態が悪い場合、強い得気を生じやすいです。
足背の筋が悪い場合は、短指伸筋、短拇趾伸筋を狙い、水平に近い角度で刺鍼します。