尻の痛み(腸骨筋が原因の場合)

腸骨筋への刺鍼画像

腸骨筋が原因の尻の痛みについて

臀部の痛みを訴えられる場合、うつ伏せで腰部、小殿筋、中殿筋などを刺鍼します。しかし数回刺鍼しても症状の緩和がみられないことがあります。

その場合、腸骨の内側の痛みを、外側の痛みに感じている可能性を疑います。体表から触れにくい深部の痛みの場合、痛みの局在が不明瞭で、どこが痛いかをはっきりと自覚することができません。腸骨筋の痛みは、腰の痛み、お尻の痛み、股関節の痛みなどであるように感じられます。

実際に腸骨筋が原因でお尻の痛みが起きている場合、腸骨筋へ刺鍼すると臀部の痛みが再現されます。刺鍼して初めて原因が腸骨筋にあると鑑別することができます。

腸骨筋へ刺鍼した際の得気は臀部、腰部、鼠径部、大腿前側などに広がります。大腿前側の痛みやだるさ、膝関節の痛み、鼠径部の痛みなどにも、腸骨筋刺鍼を使用します。

腸骨筋に刺鍼しても筋肉の硬さがなく、鍼の響きも少ない場合は腸骨筋が症状の原因でないと判断し、別の部位の原因を疑います。

症状

臀部の痛み

対象の筋肉

腸骨筋(小臀筋、中殿筋)

刺鍼について

腸骨筋刺鍼に用いる鍼は、90mmから120mmの鍼を体格に応じて使い分けます。上前腸骨棘の内側から刺鍼するため、極度に腹部の皮下脂肪が多いと刺鍼することが困難です。

刺鍼部位の筋を弛緩させるため、ひざ下に枕をいれて、股関節を屈曲させた状態で施術します。

症状が片側だけに出ていて、背面側の臀部や腰部も同時に刺鍼する必要がある場合は症状の出ている方を上にした側臥位で刺鍼します。

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